ギャラリー

第67回太玄会書展 (令和8年開催)

役員作品

 

※第66回以前の太玄会書展の作品は、こちらをご覧ください。 

常任顧問

 垣内 楊石

【題名】臘酒香
【訓読】臘酒香(ろうしゅかおる)
【解釈】臘とは冬至の後、第三の戌(いぬ)の日に行う祭りのこと(陰暦)。 猟の獲物を先祖百神に供える祝いの酒が香るという意味。
【コメント】 年末になり、一年の無事を感謝し喜びの気持ちを表した。 自由闊達に。

常任顧問・理事

西村 東軒

【題名】標顕
【訓読】標顕(唐書より)
【解釈】目立ってあらわれること。
【コメント 線の動きと潤渇を意識した。

会長・理事

金丸 鬼山

【題名】書譜の語
【訓読】 感は恵く 徇に知る
【解釈】 物に鋭敏に反応し、何事をも理解することができる。
 孫過庭は優れた書が生まれるには五つの条件「五合」が必要であると説き、
 これはその第二の条件、「感知の鋭敏」をいう。
【コメント】言葉(文字)を鋭敏に感じ取り、どう文字表現するかが第二の条件で、 如何に難しい?

副会長・理事

蕗野 雅宣

【題名】王安石詩「元日」
【訓読】 爆竹の声中 一歳除り  東風 暖を送って 屠蘇に入らしむ  千門 万戸 曈曈たる日  総べて新桃を把りて旧符に換う
【解釈】この王安石の「元日」詩は、典型的な元日の朝の光景、平和な空気感が漂っています。
【コメント】 紙面に大胆さを全面とし、景色の見える文字組み、線質をと思いながら書いてみました。

副会長・理事

宮負 丁香

【題名】 煙霞癖
【訓読】 煙霞の癖
【解釈】 山野の風景を好むこと。
【コメント】 余白を生かした作品の制作に心掛けた。

 

董事

伊東 玲翠

【題名】世説新語(言語第二)
【訓読】王逸少作會𥡴 初至 支道林在焉 孫興公謂王曰
 支衜林拔新領異 胸懷所及 乃自佳 卿欲見不
 王本自有一往儁氣 殊自輕之 後孫與支共載往王許
 王都領域 不與交言 須臾支退 …以下略
【解釈】王羲之が会𥡴の内史となって初めて赴任した先での出来事で、人間模様が描かれている。
【コメント】 世説新語は唐の時代には既に存在した厂史であり物語である。人物の名前が多く、作品としては纏め難い処もあるが、清言集としてももう少し取り組んでいきたいと思っているがなかなか難しい。

董事

鈴木 暎華

【題名】「題西林壁」蘇軾
【訓読】横看れば嶺を成し側よりは峰と成る 遠近高低一つも同じは無し 廬山の真面目を識らざるは  只身此の山中に在るに縁る
【解釈】 見る人の立ち位置によって物の見え方が変わる。

董事

橋 心行 

【題名】 王安石詩

【訓読】 荷葉初めて開き 筍漸く抽んづ 東坡 南蕩正に游ぶに堪ゆ  端なく隴上 翛翛の麥 橫起の寒風 作秋を占む  竹裏の編茅 石根に倚り 竹莖の疏處 歬村を見る
 間眠す 盡日 人到るなく 自ら 春風ありて掃門を爲す
【解釈】コメント 筆速を上げて書いてみました。
 いかがでしょう……。

理事長・理事

伊場 英白

【題名】 種田山頭火句

【訓読】 湖は溢れて浮草の 我(れ)と漂へり 
【コメント】 墨量の変化(潤渇)を考え乍ら、雅味深い線で表現したかった。

副理事長・理事

小出聖州

【題名】李太白詩
【訓読】 雲には衣裳を想い 花には容を想う  春風檻を払って 露華細やかなり  若し群玉山頭にて見るに非ずんば  会ず瑤台月下に向いて逢わん
【解釈】 雲を眺めると美しい衣裳が連想され、牡丹の花を見ると艶やかな容姿が連想されます。春風が手すりにさっと吹き寄せ、露の光がきらめいています。楊貴妃のような美人には、群玉山の山頂か月夜の瑤台においてしか、巡り会うことが出来ません。
【コメント】 楊貴妃を伴って玄宗皇帝が牡丹の花を愛でに訪れ、二日酔い覚めやらぬ李白が呼び出され、華やかな舞台の幕は開けられました。 たちどころに李白は楊貴妃の美しさを三首読み上げたという事実は
 巷間良く知られているところです。無謀にもその第一首を李白に変わって表現せんと試みましたが、素面が故か見事に夢と消え去りました。

副理事長・理事

飛田 冲曠 

【題名】 劉太真詩

【訓読】 独り坐す貢闈の裏 愁心芳草生ず
 山公昨夜の事 応に見るべし此の時の情を
【解釈】官吏登用試験の場所心さびしく花が咲きにおっている酒好きの山濤 昨夜の出来事を
 当然ありのままの酒因を見るであろう
【コメント】酒に醉ったおもしろみ酒顚の経過を思い出し  心の癒やしになればと仕上げてみました。

事務局長・理事

下谷蘓雪

【題名】白居易詩
【訓読】春風揺蕩自東來折盡櫻桃綻蓋梅 唯餘思媍愁眉結無限春風吹不開  雲露青天月漏光中庭立久却歸房 水窻席冷未能臥挑盡残燈秋夜長  乳峰深處雲居路共踏花行獨惜春 勝地本來無定主大都山属愛山人
【コメント】大作はやはりエネルギーがいります。今回は、沢山の墨を食べる紙との戦いでした。使用する紙を変えれば楽だったのですが、戦ってみました。結果は?

副事務局長・理事

 伊藤 慈恩 

【題名】白雲為蓋
【訓読】 白雲 蓋と為す
【解釈】 白雲を屋根とする。万物のあるがままの姿が真理そのものであると悟り、
 大自然に無心に身を委ねて生きる境涯を表す。(碧巌録より)
【コメント】 余白を生かし、力強く表現したかった。

副事務局長・理事

江原見山

【題名】 郭景純の詩
【訓読】 漆園に傲吏有り 萊氏に逸妻有り
 進めば則ち竜見を保てども 退いては藩に触るる羝と為る風塵の外に高蹈し 長揖して夷斉に謝せん
【解釈】かの漆園の誇り高き小役人(荘周)や、夫をいましめた老萊子のあっぱれな妻の生き方こそ学ぶべきだ。出仕して重用されたとて、それがなんになろう。いったん疎んぜられたら、そのとき隠退しようとしても、もはや身動きできないのだ。さあ、世俗を捨てて遠くへ行こう。伯夷・叔斉にも別れを告げてさらに遠くへ。
【コメント】可読性を意識しながら様々な表現(字形、字の大小、墨のにじみ・かすれ等)を工夫しました。

副事務局長・理事

大場 大幹

【題名】遠眺
【訓読】暮雲千里呉峯乱れ 落葉微に聞こゆ遠寺の鐘
 日は尽く長江秋草の外 美人何れの処にか芙蓉を採る
【解釈】秋の夕暮、長江のほとりで遠望した詩。
【コメント】適度な連綿と潤渇の大小の変化を加えて、 平板にならない様に筆を進める。

理事

海野 十方

【題名】李太白詩
【訓読】 將に命じて西極を征し 橫行す陰山の側  燕支 漢家に落ち 婦女に華色なし  轉戰して黃河を渡り 兵を休めて樂事多し  蕭條 萬里淸み 瀚海 寂として波なし
【解釈】 そこで漢の方では大將を命じて西極までも遠征せしめ、 到る處匈奴撃破して陰山の側に横行した。
 かくて燕支山が一たび漢軍の手に落ちてから、 匈奴の婦女は花の如き顏色も無くなった。漢兵は頻りに轉戰して黃河を渡り、 愈よ兵を休めて凱旋することになり、その樂も非常である。  今しも萬里の塞外胡塵は殘なく靜まり、見わたすかぎり蕭條として邊なく、
 瀚海も寂として立ち騒ぐ波だに無いやうになった。
【コメント】二尺×八尺の二連作品です。横画の水平に注意して、墨溜まりと余白に配慮し重厚感のある作品にと制作しました。

理事

垣内 蘭畦

【題名】白楽天詩
【訓読】東亭に尽日坐す 誰か寂寥の身に伴はん
 緑桂を佳客と為し 紅蕉を美人に当る
 笑言接らずとも雖も 情状相親にすむ似たり
 悠悠の想ひと作さずんば 如何ぞ晩春を度らん …以下略
【解釈】私は、東のあずまやで終日閑坐しているが、いったい誰がこの寂寥の身の相手をしてくれているのか。といえば、緑の桂樹を佳客と見立て、ひめばしょうを美女の代わりにして自ら慰めている。これらの佳客や美女はにっこり笑ったり話を交わしたりして応接してくれるわけではないが、どうやら私に好意を持っている様子だ。こんなとりとめもない幻想でもめぐらさなければ、どうしてこの晩春の日長を過ごすことができよう …以下略
【コメント】 変化と調和の筆致による独自の書を心掛けていきたい。