ギャラリー

第66回太玄会書展 (令和7年開催)

役員作品

常任顧問

福田 丞洲

【題名】夏目漱石詩

【訓読】樹暗くして 幽かに鳥を聴き/天明るみて 仄かに花を見る/春風 遠近なく/吹き到る野人の家

【解釈】右の通り

【コメント】夏目漱石の詩をずっと書き続けている。
中国の詩でなく、日本人の詩を見つめてきた。

 

常任顧問

垣内 楊石

【題名】白楽天詩

【訓読】花房の𧸐は紅蓮の朶に似たり/艶色鮮やかにして紫の牡丹の如し/惟詩人有りて應に愛を解すべし/丹青を写生して君と看る

【解釈】花房のあぶらじみているのは紅い蓮の花に似ている。艶やかな色は鮮やかで紫の牡丹のようだ。思うに、詩人がいてまさに愛を思うに違いない。あかとあおのこの美しさを君と写生してみたい。

【コメント】正統派の書が少なくなっている書道界であるが、書は正しく美しく、そして気品を忘れずに書くことを心がけないと、と思っている。

常任顧問

 石川 流芳

【題名】書懐
【釈文】書懐

【解釈】これが書のむずかしさなのか。

【コメント】若さに帰りたいと思う。

会長・理事

西村 東軒

【題名】方城臨々

【解釈】立派な城が堂々と建つ。

【コメント】墨の黒と余白の白を組み合わせる感覚で書作した。
線と線の繋がりと流れに留意した。

副会長・理事

金丸 鬼山

【題名】書譜の語句

【訓読】勁速は超逸の機なり

【解釈】速筆は飄逸となるきっかけを作るものである。
飄逸とは、人事や世間の事を気にしない明るいさまを言う。
反面、遅筆は味わい深い趣を生む。

【コメント】通常遅筆で書作する私だが、今回は速筆で一気に書作し気楽な
明るい作品に仕上がったか?気になるご意見を欲しい。

副会長・理事

蕗野 雅宣

【題名】劉阮返棹 

【訓読】劉阮返棹(りゅうげんへんと う)

【解釈】劉、阮は人名。
天台山に赴いて仙女に出会い、半年間そこで暮らした後戻ってくると、世の中は十世代の時がたっていた。

【コメント】時の流れの早さの中で、命を燃やして書いてみましたが…。

副会長・理事

宮負 丁香

【題名】妙畫通霊

【訓読】妙畫通霊(みょうがつうれい)

【コメント】六尺×六尺の大字四文字、久々に書きました。
大きな字は大変でした。

 

董事

伊東 玲翠

【題名】世説新語

【訓読】謝鎭西、少き時、殷浩の淸言を能くするを聞き、故に往きて
之に造る。殷、未だ過て通ずる所有らざるに、謝の爲に諸義を標榜して數百語を作す。旣に佳致有り、兼て辭條豐蔚、甚
だ以て心を動かし聽を駭かすに足る。 …以下略

【コメント】今回作は思いがけずも背骨の転倒に依り『圧迫粉砕骨折』云う
目に逢い、痛みと不安の中での書作となってしまいましたが、こゝ数年続けている「世説新語」を四尺×六尺の用紙に、文面を大切に轉折・墨量に意を払いつゝ…。

董事

小原 天簫

【題名】唐詩三首
【訓読】壺中冰始めて結び 盤上露初めて円なり 何の意ぞ瑶池の雪/奪わんと欲す鶴毛の鮮やかなるを/魴を労す蓮渚の内 馬に汗す火旂の間 平生血誠尽く/独り左輪の殷なるのみならず/春禽は猶囀を競い 夏木忽ち陰を交う 稍覚ゆ秋山の遠きを/俄に驚く冬霰の深きを

【コメント】作品の前に立って皆様どう感じてくださるか???

董事

鈴木 暎華

【題名】峡裏山髙多


董事

橋 心行

【題名】王安石詩

【訓読】竹裏の編茅 石根に倚り 竹莖の疏處 歬村を見る
間眠す 盡日 人到るなく 自ら 春風ありて埽門を爲す
墻角 數枝の梅 寒を凌いで 獨り自ら發く
遙に知る 是の雪ならざるを 諳香の來るあるが爲めなり
荷葉初めて開き 筍漸く抽んづ 東坡 南蕩正に游ぶに堪ゆ
端なく隴上 翛翛の麥 橫起の寒風 作秋を占む

【コメント】馬王堆帛書、「黄帝四経」を基準に置いて表現してみたが…。

理事長・理事

伊場 英白

【題名】種田山頭火句

【訓読】朝は澄みきって
おだやかな流れが
一すぢ

【コメント】山頭火の句を表現するのに、雅味深さと稚拙さで、と考えているが、難しい。

副理事長・理事

小出 聖州

【題名】勉学

【訓読】錐を握り斧を投げ
雪に照らし蛍を聚む

【解釈】戦国時代、蘇秦は錐を股に刺して睡魔を打ち払い、唐の文党は斧を木に投げ占って志を立てた。
南朝の宋の孫康は雪に照らして書を読み、晋の車胤は蛍を集めてその明かりで読書に励んだ。

【コメント】どれも私には無理。でも書は続けて行く。

副理事長・理事

飛田 冲曠

【題名】瑞雲榮光

【訓読】瑞雲寳鼎に生じ
榮光露臺に上る

【解釈】めでたいしるしの雲は宝の器から生じ、めでたい気は天子のバルコニーにたちのぼる。

【コメント】素直に心の動くままに筆を執りました。

事務局長・理事

下谷 蘓雪 

【題名】王漁洋詩

【訓読】梅樹初めて花ひらいて石澗流る
満山の香雪行舟を送る
三更簫瑟湖辺の雨 百尺高寒 水上の楼
獅子窟中嵐翠合し 法華山外瞑煙収まる …以下略

【解釈】梅の花が咲きはじめて谷川に水が流れ、山一面の白い梅の花が舟を見送るかのようである。夜中、湖辺に降る雨はもの寂しく、水辺にそびえる高殿は寒々としている。獅子窟はみどり色の山気がただよい、法華山にかかっていたもやが消える …以下略
【コメント】草稿時、力強くそして墨量、潤渇、要白、行建て等々考えて書き始めましたが、実力の無さが結果となりました。

副事務局長・理事

伊藤 慈恩

【題名】淵黙雷轟

【訓読】淵黙雷轟く

【解釈】深淵な真理は言葉で伝えることができない。
沈黙することで、雷の轟くが如く真理が心に響いてくる。

【コメント】六尺×六尺の四角の紙面に動的に表現したかった。

副事務局長・理事

江原 見山

【題名】蘇頲詩句

【訓読】宸遊此に対して歓極り無し/鳥弄歌声管絃に雑わる

【解釈】天子の遊覧、その喜びは尽きることもなく、鳥の囀りは一声一声管絃の調べに和している。

【コメント】余白を広く取り、整然とした佇まいを醸し出そうと思いましたが…。


副事務局長

大場 大幹

【題名】旅夜書懐

【訓読】細草 微風の岸 危檣 独夜の舟/星垂れて平野闊く 月湧いて大江流る/は豈に文章にて著われんや/官は応に老病にて休むべし/飄飄何の似る所ぞ 天地の一沙鷗

【コメント】適度な連綿と潤渇の変化を加えて、平板にならない様に工夫し
ました。

理事

海野 十方

【題名】舟中雑詠 徐霖詩

【訓読】今夜河西の宿 眠る無く但数更
並船何れの処の客ぞ 笛を吹いて天明に到る

【解釈】今夜は河西で宿泊する。朝方まで眠れない。他の船から流れて
くる笛の音を聞いていると、いつしか夜が明けてしまった。

【コメント】横画の水平を維持して墨溜りに配慮しましたが、
大字作品のため字形に苦慮しました。

理事

垣内 蘭畦

【題名】白楽天詩

【訓読】鞍馬夜紛紛 香街暗塵を起す 鞭を回らして飲妓を招き
火を分ちて婦人を送る 風月應に惜むに堪へたるべし
杯觴頻なるを厭ふ莫れ 明朝三月盡きん
残春を送らざるに忍びんや …以下略

【解釈】宴が散じてから、鞍馬に跨り暗塵を飛ばして東西に歸る。鞭を
回らして妓を招く者もあれば、火を分ちて歸人を送る者もある。
風月は惜むべきであるから宴會の度重なるをも厭ふべきではな
い。明朝は三月の晦日であるからまた春を送る宴會を開かねば
なるまい。…以下略

【コメント】肥痩の筆致による独自の書を心掛けていきたい。

第65回記念太玄会書展 (令和6年開催)

役員作品

福田 丞洲 「夏目漱石詩」

常任顧問

福田 丞洲

【題名】夏目漱石詩

【訓読】道うことなけん/当軒野趣新なり/竹深くして鶯の乱れ囀り/清昼臥して春を聴く

【解釈】上記の通り

【コメント】夏目漱石の詩を続けている。

笠原 聖雲 「治印 四種」

常任顧問

笠原 聖雲

【題名】治印 四種
【訓読】還歸其樸(韓非子)/樸散為器(老子)/飲福(書経)/擧賢使能(礼記)

垣内 楊石 「玄風」

常任顧問

垣内 楊石

【題名】玄風

【訓読】げんぷう

【解釈】奥深い様子、姿のこと。

【コメント】題名にふさわしい書を求めてみた。

石川 流芳 「春雪」

常任顧問

石川 流芳

【題名】春雪

【訓読】春雪空に満ち来り/触るる処是れ花開く/知らず園裏の樹/若箇か是れ真梅なる

【コメント】若かったころの故郷での厳しい冬から、春を待つ心情を表現しようと思ったのだが、どうだろうか?

西村 東軒 「氷壺無影像」

会長・理事

西村 東軒

【題名】氷壺無影像

【訓読】氷壺に影像なし

【解釈】すきとおって影がない。 心中に一点の暗影がないこと。

【コメント】中国春秋戦国時代、楚の国の文字を用いた。
日常の鬱積した思いを開放し、題材の心境に近づきたいと筆を執った次第。

蕗野雅宣 「内藤鳴雪の句」

副会長・理事

蕗野雅宣

【題名】内藤鳴雪の句

【訓読】七轉八起のそれも花の春

【解釈】三尺×十尺の紙面の中へ文字組の妙味と書線の躍動を意識。

【コメント】四尺×十尺の紙面への展開、気宇壮大にして大胆に取り組む思いの中での書作。
文字の大小、墨の潤渇など、多彩さと余白美を求めてみましたが…。

宮負 丁香 「飛來福」

副会長・理事

宮負 丁香

【題名】飛來福

【訓読】飛来の福

【解釈】思いがけない幸福。『易林』に「飛來之福、入我居室」(飛来の福、我が居室に入る)からきた言葉。居室は部屋。

【コメント】4尺×10尺の用紙に入る題材を決めるのが大変でした。
書きにくい紙の大きさでどのように見えるか心配です。

金丸 鬼山 「神怡務閑(書譜の語句)」

副会長・理事

金丸 鬼山

【題名】神怡務閑(書譜の語句)

【訓読】神は怡び 務めは閑なり

【解釈】精神が安定し楽しく心地よいこと。仕事が暇で煩わされるものがない。
よい書体を生む「五合」の第一の条件。

【コメント】書譜で言う「五合」の条件が揃う事はむずかしい。
頼りになるのは自身、思い巡らして居た草稿を基に無心に書作。
如何に…。

鈴木 暎華 「窓霧」

董事

鈴木 暎華

【題名】窓霧
【訓読】窓霧冷文書静

瀧沢 曲峰 「荘子大宗師篇より」

董事

瀧沢 曲峰

【題名】荘子大宗師篇より

【訓読】古ノ真人ハ 其ノ寝ヌルヤ夢ミズ 其ノ覚ムルヤ夢無シ/其ノ食ラフヤ甘シトセズ 其ノ息スルヤ深深タリ/真人ノ息ハ踵ヲ以テシ 衆人ノ息ハ喉ヲ以テス

【解釈】真人は、眠っても夢をみることはなく、覚めた時でも憂いを抱かない。/ 味覚に心を奪われることもなく、深々と呼吸をする。/ 真人は、かかとの底から呼吸をするが、世の俗人は、のどで呼吸をするのだ。

【コメント】満八十七歳になり祝儀袋の在庫が減らず香典袋が不足する。
真人の一部でも身につけたいと思っている。

小原 天簫 「龍」

董事

小原 天簫

【題名】龍

伊東 玲翠 「世説新語 政事第三」

董事

伊東 玲翠

【題名】世説新語 政事第三

【訓読】陶公、性檢厲にして、事に勤む。荆州と作りし時、船官に敕して悉く鋸木屑を錄せしめ、多少を限らず。咸此の意を解せず。後、正會に値〻積雪始めて晴れ、聴事の前除、雪後猶ほ濕ふ。…以下略

【解釈】陶公は倹約家で仕事熱心な人物で、此の文章は荊州勅史の任に在った時の出来事を述べたもので、おが屑を集めさせて雪の後始末をさせたり、その他様々の工夫をして物に当たる様子や、大雪の降ったことに依る出来事等を記したものである。又頓智のある者を特進させたりもしたと言う事が記述されている。

【コメント】指定の用紙が3尺×10尺と初めてのサイズだったが、此の処課題にしている「世説新語」を自身としてはタップリ目の墨量で制作したのだが…。

髙橋 心行 「陸游詩二首」

董事

橋 心行

【題名】陸游詩二首

【訓読】嘉穀は焚くが如く 稗草は靑し 沈憂 耿耿 生を忘れんと欲す/新に 場を築く 鏡面の如く平かに 家家歡喜して 秋成を賀す/老來 嬾惰丁壯に慚じ 美睡中に聞く 打稻の聲

【解釈】

【コメント】帛書、木簡等の肉筆資料の筆法を加味して書いてみたが…。

伊場 英白 「菜根譚」

理事長・理事

伊場 英白

【題名】菜根譚

【訓読】天地には萬古あるも此の身は再び得られず/人生は只だ百年のみ此の日最も過ぎ易し

【解釈】天地は千秋萬古永遠に存在するが、この身は二度と生まれては来ない。/しかも人生はたゞ百年にすぎないのに月日のたつのは甚だしく早い。

【コメント】日々楽しく有意義なものにしたいですね。

小出 聖州 「李商隠詩」

副理事長・理事

小出 聖州

【題名】李商隠詩

【訓読】春に動く 何限の葉 暁に撼く 幾多の枝/解く相思有りや否や 応に舞わざる時無かるべし…以下略

【解釈】春の暖かい風はいつまでも柳の葉を揺らし、暁には多数の垂れた枝をも揺さぶる。柳も恋をするのだろうか。風のそよぐ限り、枝葉の舞は止みそうもない。…以下略

【コメント】コロナ禍の中で筆を持つことに何か意味が有りましたか。書を書き続ければ、地球の温暖化を食い止められますか。二酸化炭素排出にストップがかけられますか。政治家不信による投票率の低下に一石を投じられますか。そう問われ続けても私には何も出来ません。ただ、筆を執り続けることだけは出来ます。

飛田 冲曠 「韋応物詩」

副理事長・理事

飛田 冲曠

【題名】韋応物詩

【訓読】山高く過雨鳴り 澗樹残花落つ/ 春の待たざるに関するに非ざるも/当に由るべきの期自ら賖かなるに

【解釈】山は高く 雨は去り 小川の木々は花を残して倒れてます/春が来るまで待たないでください/ 期限内の自己契約をしてください

【コメント】久方ぶりの大字の感触。作品の良否はともかくとして、心境を高めるようにつとめてみた。紙の醸し出す感覚の滲みの力を借り、大筆と息を合わせて書いてみました。

下谷 蘓雪 「王漁洋詩」

事務局長・理事

下谷 蘓雪 

【題名】王漁洋詩

【訓読】斜日橈を停めて喚ぶこと奈何 横塘肥声散ず采蓮の歌/青山古道閶闔に通じ 緑黛春風苧蘿を憶う/廃苑愔愔花暮れんと欲し 長洲淼淼水空しく波だつ/千金枉げて鋳る鴟夷の像 鳥自ら高く飛んで網羅を避く

【コメント】少し大きく、太い文字を書いてみました。
変化等を考えるより56字を入れるのに労力を使ってしまいました。
黒く、明るくを意識しました。

江原 見山 「曹孟徳詩句」

副事務局長・理事

江原 見山

【題名】曹孟徳詩句

【訓読】我に嘉賓有らば/瑟を鼓し/笙を吹かん

【解釈】立派な客人たちとともに、大琴をかき鳴らし笛を吹いて楽しみたいと思う。

【コメント】北魏の楷書をベースとし、凜乎たる作品を目指しましたが…。

大場 大幹 「禹廟」

副事務局長

大場 大幹

【題名】禹廟

【訓読】禹廟 空山の裏 秋風 落日斜めなり/荒庭 橘柚垂れ 古屋 竜蛇を画く/雲気 虚壁に生じ 江声 白沙に走る/早く四載に乗るを知り 疏鑿して三巴より控く

【解釈】旅館の灯火はまだついているが、村人たちの話し声はしだいに少なくなってきた。寒々とした月が山にかかってひっそりと静まり、霜を帯びた木の葉が舞い落ちる。 …以下略

【コメント】墨量多めにし、字々に大小の変化を入れ抑揚を利かせて、平板にならない様に心がけて筆をとる。

伊藤 慈恩 「王士禎詩句」

副事務局長・理事

伊藤 慈恩

【題名】王士禎詩句

【訓読】寒雨 秦郵 夜船を泊す/南湖 新たに漲って 水天に連なる

【解釈】冷たい雨が降る中、高郵の岸に船を止め夜を過ごした。/南の湖は雨で水が満々とたたえられ、まるで空とつながっているように見える。

【コメント】行草体で躍動的に表現したかった。

海野 十方 「李太白詩」

理事

海野 十方

【題名】李太白詩

【訓読】雨後 𤇆景綠なり 晴天 餘霞を散ず/東風 春に隨って歸り 我が枝上の花を發す …以下略

【解釈】雨晴れし後、煙れる春景色は、緑に心地よく、やがて、晴れた空に残れる夕やけが散じて日も暮れて仕舞った。/東風は、春に随って帰り来り、わが庭樹の花どもを開かしめた。…以下略

【コメント】隷書としての力強さと重厚性のある作品にと、横画の水平に配慮しました。
また伸びやかな筆致も必要と思っています。

垣内 蘭畦「白楽天詩 和夢得冬日晨興」

理事

垣内 蘭畦

【題名】白楽天詩 和夢得冬日晨興

【訓読】漏は初五の點を傳へ 雞は第三聲を報ず 帳下從容として起くれば/窓間曨驄として明かなり 書を照らして燈未だ滅えず 酒を煖めて火重ねて生ず/曲を理めて絃歌動き 先づ聞く渭城唱ふるを

【解釈】水時計は五点を報じ三番鶏も鳴いた。寝床を離れて帳下に立てば、東の窓がほの白くなっている。/読書の燈はまだ消えずに残り、酒を温めるために重ねて火を起こした。/時にどこからともなく絃をはらって渭城の曲を歌う声が聞こえてきた。

【コメント】肥痩の筆致による独自の書を心掛けていきたい。